Dactyl キーボードをビルドする

3D プリントしたケースで Dactyl キーボードをビルドする

Daisuke Mino
10 min readJan 3, 2018
ビルド後の右手
ビルド後の右手

リモデルしたケースで Dactyl キーボードをビルドしていく。前提としてはデフォルトのケースで一度ビルドしていて、今回は二度目のビルドとなる。

パーツ

パーツ
パーツ

日本への送料がばかにならないのでなるべく同じショップでまとめて購入するのが良い。

日本への送料と注文から配送完了までのスパン

それぞれのショップに何度かオーダーしているので調べてみた。

Shapeways:

  • プリント 4 日
  • 配送 7 日
  • 配送料無料 (キャンペーン)

DigiKey:

  • ピッキング 0 日
  • 配送 4 日
  • 配送料無料 (6000 円以上の購入)

MechanicalKeyboards.com:

配送方法を選択できない。一定量の注文までは FedEx FIMS で、超えると自動的に FedEx となる。

  • ピッキング 0 日
  • FedEx FIMS: $15.00 で 16 日 (Order Information の Tracking Number で http://mailviewrecipient.fedex.com/recip_package_summary.aspx?PostalID=[Tracking Number] でトラッキングできる)
  • FedEx: $35.65 で 14 日 (Order Information に詳細が出てこないが、 Contact Us から問い合わせるとトラッキングの URL を教えてくれる)

PimpmyKeyboard:

配送方法を選択できる。

  • ピッキング 0 日
  • USPS (First Class Package International Service): $15.06 で 14〜15 日
  • USPS (Priority Mail International): $47.84 (選択したことがないのでスパンは不明)
  • USPS (Priority Mail Express International): $58.53 で 7 日

道具

ビルドに使った道具
ビルドに使った道具

必須なもの

あると便利なもの

ビルド工程

qmk-guide を見ながら配線する。PCB が販売されているわけではないので、ハンドワイヤリングが前提となる。一応、Making the PCB で公開されている PCB デザインを自分でプリントする道もあるようだ。また、ガイドにはないがパーツはホットグルーでケースに接着するという方針でやっていく。

今回プリントしたケースは右手の親指のスイッチ穴の 1 つに余計なポリゴンが出力されてしまった。Shapeways からプリントに失敗したかもという写真付きのメールが来たが、薄そうなのでこっちでカットする旨を伝えてそのまま発送してもらい、到着後ニッパーで切り取った。

プリントされたケース
プリントされたケース

Step 1. キースイッチをケースにはめてホットグルーで接着する

ケースにスイッチを固定するための突起が付いているものの、キーキャップを外すと一緒にスイッチが外れてくる程度の固定具合なのでホットグルーで接着する。

キースイッチをはめて接着
キースイッチをはめて接着

Step 2. 右手のキースイッチを配線する

予めダイオードの足を切っておきスイッチの足にハンダ付けする。ダイオードの向きが重要で帯のない側をスイッチ側に付け、スイッチから電流が流れるようにする。付け終わったら各列を配線する。

右手の列を配線する
右手の列を配線する

各行を配線する。

右手の行を配線する
右手の行を配線する

Step 3. Teensy を配線する

右手の行と列を Teensy に配線する
右手の行と列を Teensy に配線する

Teensy と抵抗と TRRS ジャックを配線する。前回ビルド時は TRRS ジャック上に実装してボリューミーになってしまったので、比較的余裕のある Teensy ケース内で実装したほうが良さそうという知見を得ていたので、Teensy 基板上に実装した。

Teensy と抵抗と TRRS ジャックを配線し接着する
Teensy と抵抗と TRRS ジャックを配線し接着する

Step 4. 左手のキースイッチを配線する

右手と同じ。

左手の行と列を配線する
左手の行と列を配線する

Step 5. I/O エクスパンダを配線する

I/O エクスパンダはピンセットで足を広げておくと作業しやすい。I/O エクスパンダの上下を間違えないように配線する。

I/O エクスパンダに配線する
I/O エクスパンダに配線する

I/O エクスパンダと TRRS ジャックを配線し、ホットグルーでケースに接着する。

I/O エクスパンダと TRRS ジャックを配線し接着する
I/O エクスパンダと TRRS ジャックを配線し接着する

Step 6. 完成

ネジ止めをしない状態でキーキャップやケーブルをつけてデバッグし、ハンダ付けが甘い箇所などを修正してからケースを閉じる。板ナットを下部ケースの内側にホットグルーで接着して、ケースを閉じ上からネジを入れる。脚には滑り止めを付ける。

ネジ止めと滑り止め
ネジ止めと滑り止め

これからビルドする人に伝えたいこと

リポジトリには 2 つのビルド方法が公開されているが、qmk_firmaware を使う前提の qmk-guide を見ながら配線するのを強くお勧めする。前回ビルド時に ergodox-firmware 前提の guide で配線したが、全てを配線し終わらないと何も動かなかったり、MCP23018 の配線図の col の接続先がひとつずつずれていたり、一部のキーが反応しなかったり、PC のスリープと共に反応しなくなったりしたので、結局 qmk-guide で配線しなおした。guide でのビルドは茨の道なのでお勧めしない。

使った感想

第一印象としてはキーが指を迎えに来てくれる感じがした。最上行の数字キーが他のキーと比べて少し遠いと感じたが、SA プロファイルのキーキャップに変えるとその違和感は解消された。Ergodox を使っている時は外縁部のキーを押す時に頑張って指を伸ばしている感じだったが、指を動かさなければならない絶対距離が短くなりタイピングが楽になった。

完成した様子
完成した様子

前回ビルドしたデフォルトのケースの Dactyl キーボードと合わせて 3 ヶ月ほど使ってみた感想で個人の主観によるものだが、自分は手が大きくないので手があまり大きくない方には参考になるかもしれない。

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